眠るみたいに
鼓動を絶ちたい



暗い闇夜に沈んでも
そらはきっと晴れて
あなたもきっと 息をする



あたしの存在は其れくらい
とても微かなものだから。
だからこそ
気づかれないように 沈んでしまいたい




逃げ場を無くして
淵に立つあたしに
よく似た女が
刃を突き立てるの。



水面に浮かぶは
あたしの抜け殻。
上で見下ろすは
あたしのプライド。



仮令
其処であなたが
何も知らずに
贋作を抱きしめても
最後に冷えた虹彩が
あなたを捕らえることが出来たのなら
冷たい鼓膜に
あなたの声が 届いたのなら。




あたし きっと しあわせ。




「オチル」05.8.25